
データを収集し現在の設計との比較を行った。
ばら積船の構造の基本形式は年代によってほとんど変わらないが、図2及び図3からわかるように近年の船は船倉数が少なく、また同一サイズでの載荷容量が増加している。これらは構造の詳細に影響を与える。

図2 LppとDW/LBdとの関係

図3 Lppと貨物倉数との関係
2. 保守点検が強度上の安全性に及ぼす影響
船の強度上の安全性は設計のみで決まるのではない。そこで使用中の点検及び保守によって安全性を高める破壊管理制御の考えは広く浸透しているが、一般には船の荷重の履歴が不明のため理論を直ちに実船の判定に適用できないのが実状である。そこで、本研究ではこの隘路を打開して実用的な信頼性評価法を確立するために、船体検査の専門家を対象として検査能力や亀裂進展の経験についてのアンケートを行い、これと統計理論を用いてばら積貨物船の代表的な亀裂発生部位(図 2.3.1)に対して検査と亀裂との関係を検討した。結果は第2.3.3節に述べているが、たとえば表2.3.1に示すように信頼度を向上させるに必要な検査のピッチ、あるいは鋼材重量を減少させるには検査回数をどう設定すべきかなどを
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